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紅い瞳の少女
村でただ一人きり
"魔女"と呼ばれ蔑まれていた

黒い瞳を避けて
逃げ込んだ禁忌の森
出逢うは傷付いたカラスの子

鳴き声も出せずに
横たわるカラスを
少女は優しく介抱した
2人は通じ合い
手と翼取り笑う
「はぐれ者同士ね」

深い深い闇夜の世界
理想郷を求め足掻く
遠く遠く手を伸ばそうと
決して叶わぬ御伽噺
その声は虚しく響く

「蒼い瞳の魔女は
美しい声を持ち
理想郷へ連れ出してくれる」

少女の大好きな絵本
ため息と共に閉じ
「そんな場所どこにもないでしょう？」

はぐれ者同士は
木漏れ日の下遊び
心を通わせていった

少女に見守られ
やがて傷は治る
カラスが声を上げたその時
少女の視界は回った

「とある魔女の話
蒼く澄んだ眼と黒い羽
声を聞けば心を抜かれ
新たな魔女となる」

少女は知らなかった
物語の真実を
村人と認められた者にだけ
伝わる物語

風を纏う闇夜の翼
理想郷へ至った蒼
そこに新たに宿る光
夜空に赤く煌いた

深い深い闇夜の世界
理想郷はすぐそこに
遠く遠く羽ばたいていった
新たな「はぐれ者」を求め
その声は美しく響く
 

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