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​「花の妖精の贈り物」

一面の花畑と風車の向こう
夕陽が射した
セピア色の光が
景色の輪郭を撫でた

道を辿る風が
幽かな香りを運んできた
胸にそっと抱えて
手元の五線譜をなぞった

綴り終えた歌は
頭の中煌めく
ふと口ずさんだその時
応えるように届いた声

花の妖精は踊る
純白のドレスを揺らして
吟遊詩人は歌う
草擦れの拍手響く舞台
やがて終幕と共に
花びらを受け取った 

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